絵本の世界
2015.9.17
Sちゃんが「先生、これ読んで!」と持ってきたのは”三びきのやぎのがらがらどん”私も大好きな絵本なので、感情を入れながら、楽しみながら読みました。小さいやぎや二番目のヤギがトロルに会う時は絵本のヤギをトロルから隠すように手で覆いをつくるSちゃん。大きいヤギとトロルの戦いになると絵本から距離をとって遠巻きにのぞいています。
絵本の中にすっかり入りこんで、それぞれのヤギたちと同じ思いになって恐がったり、ホッとしたり・・・
絵本の中から様々な状況を読み取り、色々な感情に出会います。間接的ではありますが、多くの直接には出会えない、感情や状況に出会います。その経験を通して人の痛みや、淋しさや、戦争の悲惨さ等。幼くても受け止められる範囲で様々な事に触れていくのは、大切なことです。
トロルに会うことは実生活ではありえない?ことではありますが、絵本の世界に入り込み、その世界を思う存分楽しみ、感情を豊かにし、動かない絵を見て、想像力を育てていく。お話の続きが気になって、終わってしまった物語に自分でお話をつくった。幼児期にはとても大切な作業です。未だに私はお話の続きを自分なりにつくってしまいます。とっても楽しいですよ。
親子遠足
2015.8.28
夏休みの間ご無沙汰しておりました。
今日、ファーム花茶にジャガイモとニンジン、枝豆の収穫に親子バス遠足で行って来ました。春からゆり組(年長)が種を蒔き、草抜きをしてきました。(でも、ほとんどは花茶さんがおいしく育ててくれました。)
おいしく実った野菜たちをたくさん収穫してきました。枝豆はその場でゆでてもらって食べてきました。毎年おいしいと思いながら食べますが、今年は一番おいしいと思えるのはなぜでしょう?
おいしいお弁当を食べて、ほっと一息。子どもたちは芝生の上で裸足になって遊び始めました。何か遊具があるわけではなく、何もないところで。何もない場所で友達との関わりだけで遊ぶ力は毎日の様々な経験の中で育まれます。でも、良かれと思い、早期教育、英才教育として知識を学ばせるため、子どもたちの遊ぶ時間と空間を充分与えなければ、この力は育ちません。自然の中で十分に体と心を動かし、友達との関わりを通して育った遊ぶ力。これはいずれ、生きる力、意欲となっていくものでもあります。幼児期の大切なこの時期。子どもたちの遊ぶ力に目を向けていきませんか?
ひまわり
2015.7.8
畑に種を蒔き、毎日水や肥料をやって大切に育てたひまわり。
でも、野生に生えていたひまわりの方がたくましく大きく育って
いることに気づき、愕然としたある教育者の言葉。
野生のひまわりはだれも水や肥料をくれないので、水分を
求めて自分で根を伸ばし、やがてしっかりした根になります。
畑で毎日水をもらったひまわりは何の努力をしなくてもその場
でも水をもらえるので、根を伸ばす必要がありません。
人の成長もある程度の環境を整えることは必要ですが、
多くを与え、準備しすぎると、自分から求め、伸びていく力が
育ちにくくなります。足りなさや欠けをどう自分で補うか?
どこを調べて情報を選択するか?失敗しながら、やり直し、
考え方を変えてみたり。試行錯誤しながら、時間をかけて
いく過程の中で太い、丈夫な根が子どもたちの心に育つのだと
思います。”早く芽を出せ!柿の種”よりも”ゆっくり芽を出せ
柿の種”土の中でゆっくりと育つことが大切です。幼児期は
その土の中で育つ時期でもあります。
ブランコ
2015.6.9
少し前まではどの公園にもブランコがありました。事故がいくつかあって、撤去されたり、設置されなくなった公園もありますね。ブランコはこぐためにタイミング、勢いが必要です。体の筋肉や体幹ができていないとうまくこげません。
また、幼児期は体を動かすと同時に心も伴います。楽しい!
面白い!恐い!もう一度やりたい!まだ無理!等様々な感情と
一緒に心と体で覚えていきます。そうやって覚えたものは自分の
限界がわかりますから、危険から身を守ること。そして更に前に一歩踏み出すことを自分で理解していきます。
確かに危険は伴いますが、遊具は幼児の成長に必要な機能を
もっています。皆さんも小さい頃、怪我をしながら、何回も繰り返しながら、覚えた遊びや身に着けたものはあると思います。思い出すとその時のドキドキした感情や、成功感も一緒に思い出せるのではないでしょうか?その感情が、大人になってからの勇気になったり、我慢になったりもします。安全の中であればちょっとの冒険が未来の力になります。お子さんと一緒に公園の遊具で体を使って遊んでみてください。
表現
2015.5.29
指導要録が6領域から5領域に変わってもうだいぶ経ちます。
保育をするにあたり、大切な目安であり、指針ともなります。
その中に表現という領域があります。自分を表現することは
とても大切です。自分はどんな性格なのか?今何を考え、何を
感じているのか?そして、この10数年表現することを教育の中で
必要以上に強いられてきてはいないでしょうか?どうしても
明るく元気にはきはきと挨拶ができる子、自分の名前、意見を
言える子が良いとされているような気がします。
でも、心の中に大切に持っている感情や、今はどう表現して
いいかわからない思い等。そっとしておいてほしい物も人には
あります。まだまだ未発達な子どもたちにとっても、どうやって
表現していいかわからない感情を共に寄り添って待ってもらうこと。表現の仕方を一緒に時間をかけて探してもらうことも情緒
を育てる、その子が育つためにとても大切なことではないかと
思います。どうか急がず、共に寄り添うことで、表現できない
思いを受け止めてあげてください。
おおなわとび
2015.5.13
”おおなみ こなみ かあぜが吹いたらやあま♪”
年長組さんのほとんどの子が縄が一番高い所になったところで入っていけます。
小さい子たちがそれを見て自分もその中に入ったら跳べると信じ、入ってきます。
でも最初は回し手の先生たちが跳べるように縄をもって行きながら、慣れ親しんで行く所から始まります。幼い頃はまだ自分の力の限界を知りません。見て、楽しそう!やってみよう!と思えばどんどん挑戦します!そのやってみよう!という思いを大切にし、幼時期は自分に限界を決めないで、なんにでもチャレンジできればと願っています。それは一番になるためではなく、あくまでも楽しんで自信を持つため。そしてそれはみんな同じでなくてもいいんです。やりながら苦手なものも出てきます。苦手でも好きなものもあります。子どもたちのエネルギーに元気をもらいながら・・・
4月16日
2015.4.16
年長組のA君とBちゃんがブロックを高く高く積み上げていました。とうとう自分たちの手では届かないくらいに高くなりました。色々考えて、積み木で踏み台を作りました。
すると高く積みあがったブロックの塔が倒れそうになってます。
今度はブロックが倒れないように他の積み木でガードし始めました。
ただ高く積み上げていたブロックをできるだけ高くするために、様々な障害を二人はとてもよく心と頭を使って乗り越えました。お片付けにはもうその塔はすっかり片付けられていました。でも今日二人が体験した心と頭の働きは経験として残っています。どうしても見える物でなければ判断や評価ができなくなっていますが、子どもたちは園の中で毎日様々なことを体験し、考え、失敗し、成功しています。具体的に見えてこなくても充分に心と体を使って遊んでいること信じてください。
4月10日
2015.4.10
「ママね、泣いてていいって言ったの」ともう泣き止んだT君が笑顔で伝えてくれます。「そうだね。泣いてていいんだよ。でももう泣いてないね」「うん!」と元気に遊びの中に入っていきました。
「ただ、帰りたいだけなの」「そうだよね。帰りたいよね。わかるよ」
今までずっと一緒だったお家の方々と離れて幼稚園という社会を
経験している子どもたち。それぞれに自分のもっている社会性を働かせて少しずつ幼稚園に慣れて行ってます。
進級児は?さすがにお兄さんお姉さんの顔とプライドをもって?泣いている子に担任の手が取られていると、スーッと園長や事務の先生の膝を占めています。幼いながらも空気を読み、今の状況を把握して、ちゃんと自分の居場所を見つけられています。それも社会性、成長の一つですね。
それでも遊びの中頃には自分の遊びを見つけ、相手を見つけて遊んでいる姿があちこちに見受けられます。
ここも安心できるあなたたちの場所。存分に遊んで帰ろうね。
始業日
2015.4.7
”おはよー!” ”おはよー!””おはよー!”
元気に登園してきた子どもたち。担任は毎年変わります。
きっとドキドキ、ワクワク。そして不安も入り混じりながらの新学期。のはずが・・・・
担任が変わっていても、クラスが変わっていてもお構いなしに遊びだした子どもたち。当園は少人数ですから保育者の一人ひとりが、園児一人ひとりとすでに信頼関係をもっています。大好きな人がいるからその場所、環境に慣れる。逆に安心できる大好きな場所だから大丈夫という安心感があって慣れていく。人的環境の大切さ、そして空間的な環境の大切さ。両方の大事さを改めて
感じさせられました。
明日から来る新入園児も早く私たちに慣れ、場所に慣れてほしいと切に願います。ここはあなたが居て良い場所。あなたが守られる場所。あなたが愛される場所。
ロバの子
2014.11.18
今日はロバの子のグループで牛乳パックを使って共同製作をしました。ひとグループ15人から18人で、3歳児から5歳児までの混合のグループ。
5歳児がリードしながら、”きりん””ぞう””わに”をそれぞれつくりました。1学期からの積み重ねもあってもうみんなクラスが違っても仲良くなっているので、大きい子は小さい子たちに教えたり、言葉がけをします。小さい子たちもどんどんお兄さんお姉さんたちに頼りながら、作業を進めていきます。
子どもたちはそれぞれのやり方で、友達を作り、和を広げ、深めていきます。ストレートにぶつかったり、言葉がきつかったり、言葉が足りなかったり。トラブルになれば涙も出ます。でもその繰り返しの中からそれぞれが自分自身で人との関わりを見出し、信頼していきます。幼児期だからこそ様々な人間関係の中で成長してほしいと思います。