布おむつって知っていますか?
2023.10.12
私が幼稚園に勤めた始めたころから紙おむつが出始めました。専門学校ではしきりに布おむつの良さと紙おむつの弊害を叩き込まれました。にもかかわらず、今は紙おむつが普通?常識?になっています。
布おむつと紙おむつの違いは、紙おむつの方が断然手間はかかりません。簡単です。そして子供自身が感じる不快感も紙おむつが快適に過ごせます。でもそこが大事なポイントです。赤ちゃんはおむつが濡れて不快を感じ、泣いて保護者に訴えます。保護者は「気持ち悪いねえ」と共感しながら気持ちの良い布に替えて「気持ちよくなったね」と声掛けしてくれて赤ちゃんはその流れの中で快不快を体と心で感じ、理解していきます。ですから、その不快さを知ればどうすれば快適になるかがわかり、自分から排泄を早くに教えられるようになります。でも、紙おむつは3回、4回おしっこをしても快適です!と、いかにも赤ちゃんにとって良いことのように歌っていますが、結局快不快の感覚が鈍いため、尿意を感じてもそれを伝え、自分から排泄しようと思うことが遅くなります。紙おむつを替えてもらう必要がないからです。
そしてその快不快から喜怒哀楽の感情や感性を豊かに感じることができます。楽しさや喜びの感情とともに悲しみや不快な思いをも経験することは人が成長していくためにとても大切なことです。
子どもの成長
2023.6.23
子どもは大人の数倍順応性があります。吸収力も高いです。感性も豊かです。ですからその子がどのように成長するかは周りの大人や環境が重要な関りをもっています。アメリカの実験で生まれてすぐの赤ちゃんに衣食住はちゃんと与えるが一切言葉をかけないで育てたら、1年たたないうちにみんな亡くなったそうです。動物の赤ちゃんは食べるものがあれば何とか生きていけます。でも人間はそうはいかないようです。周りでその環境、特に人の関りがなければ健全な成長にならないようです。そのかかわりもその子をいつくしみ、愛情をもって関わることです。環境として高価なもの、最新のものをそろえるのではなく、その子を愛している大人が周りにいることが一番大切です。愛して大切に育てていても、時には叱ることも、感情をぶつけてしまうこともあるでしょう。それが人間の営みです。優等生のお父さんお母さんでなくてよいのです。笑って泣いて、怒る。普通で。そのままで良いのです。
非認知能力
2022.11.16
11月11日の“みんなだいすき会”には保護者の皆様がご観覧でき、感謝でした。ご家族を前にして、緊張して固まってしまう子。張り切って頑張れた子。いつも通りにできた子。など様々な表情を見せてくれました。どのクラスも日常の保育の展開から無理のない準備の中で、皆様に見ていただけたと思います。いま、報道でもされているように、非認知能力と認知能力について検討されています。発表会を例にとりますと、お遊戯やオペレッタ、言語劇などあらかじめ規制のものがあり、振り付けやセリフを教えられ、毎日練習をしてとても上手になったものを見せるのが認知能力です。誰が見ても、どこにいてもマニュアルややり方がわかればできる事です。
当園が目指しているのは子どもたち自身の考えやアイデア、想像力を出してみんなで話し合い、困ったことを解決するために何をどうするか?やりたいけれども様々な事情でできない時にそれを我慢すること。そして違う方法でできないか考える事。自分の思い通りにならない時もありますが、友達と意見を出し合い、話し合いながら目標を達成していくために努力すること。等、形には、見えないけれど確実に子どもたちの中に育ちがあり、力になっているものです。これこそが人として生きていく時の力になっていきます。今回の“みんなだいすき会”で1人ひとりの子どもたちが自由に自分を表現できている姿を見せることができ、感謝です。見た目の派手さやうまさではなく、目に見えない所の育ちにこそ、目を向け大事にしていきたいと願っています。
絵本の世界
2022.10.18
絵本に特化した保育を行って3年がたちます。絵本の世界を楽しむことはとても広く深く様々な感性をはたらかせ、感受性を刺激されます。子どもたちのその部分を引き出して保育の中で展開させることはとても難しいことです。マニュアルはありません。子どもたちの発想や発した言葉をそこからどう発展させていくかは保育者の感性を働かせなければできないことです。
”おむすびころりん”の絵本を読んだ4歳児のクラスでネズミごっこが始まりました。そんな中、公園に遊びに行ったら、何とそこに大きなおむすびが転がっています。そこで、子どもたちはすぐにネズミになり切っておむすびを取りに行きます。そこでもお話が展開され、子どもたちはお話を更に膨らませていきます。おむすびを公園で子どもたちに知られないように置いたのはもちろん保育者です。そんなちょっとした仕掛けをしながら、子どもたちの想像力を更に大きくしていきます。こどもたちはお話を楽しみ体も心も様々な体験をしていきます。子どもたちの発想の豊かさやユニークさに驚きつつ、逆に感性を刺激され育てられている毎日です。
絵本の世界は限界がありません。紙面の動かない絵をそれぞれの空想の中で動かし、1冊で終わってしまった絵本の続きをそれぞれの空想の中で発展させます。そんな世界をつくれる心は現実の厳しさにも打ち勝っていけます。スマホやパソコンのゲームではすべてが動き、音も出ているので、どうしても受けるだけの楽しさで終わってしまいます。とにかくこの幼児期には絵本や、身近な人からの素話を聞いて育つことが本当に重要です。
運動センス?
2021.10.13
写真は今日のお帰りの様子です。ひよこ組さんはトイレの最中。もも組さんは帰り支度が終わり、みんなが終わるのを待っています。さくら組さんは”森のくまさん”の歌を掛け合いで歌っています。ゆり組さんも帰り支度を済ませ、これから絵本を読んでもらう直前でした。日々の保育が平和に流れ、子どもたちが楽しかった思いを胸に、今日の1日を終え、明日に期待する瞬間です。
運動会というと皆さんは何を思い出しますか?お昼のお弁当。かけっこや組体操。リレーやお遊戯など、様々ですね。そして、楽しかった思い出の方も嫌いだったと思う方もいます。私はマラソンが苦手で、とにかく嫌いでした。太っていて、持久力がなく、すぐに疲れて走れなくなりました。高校に進んで体育の時間に800Mのタイムを計る授業がありました。その時の先生が「最初のタイムと4週間後のタイムを比べて成績を出します。」と言ってくれました。タイムの早い人から成績をつけられたら私は、本当に最後だといつもあきらめていました。でも、今の自分のタイムより、最後のタイムが少しでも早ければ、成績はあきらめる必要はないと頑張れました。
運動のセンスや芸術もそうですが、それぞれのもっている資質?能力はもともと持って生まれたものに左右されます。努力も必要です。ただただ、早さだけで競わされたら、最初から評価は決まってしまいます。でもその人の今の状態を把握したうえで、どれだけ頑張れたか?で見てもらえることはそれぞれ、一人ひとりに向き合ってみてもらったことになります。幼稚園では子ども一人ひとりの評価はしませんが、その子のありのままの状態からの努力や頑張りを見ていきたいと思います。だれかとの比較でしか、評価できないのはその人自身を見ていないのと同じだと思います。
おかたづけ
2021.9.9
お片付けをする時は以前は音楽を合図代わりにしていました。この頃は「お片付けしよう」と言うだけでみんな片づけに入ります。外から来られた方々には「みんながちゃんとお片付けしていて、感心しました。」と言われるくらい、お片付けはみんなでできています。これが普通だと思っていましたが。
片づけは基本的生活習慣として身につけなければならないことの一つです。と言いながら私も片づけは苦手な方です。今でも、子どもたちと一緒にできるようになりたいと努力しています。きれいに整頓され、気持ちの良い環境で子どもたちが過ごすことがどんなに豊かな情緒を育てていくか?保育者として大人としての責任を果たしたいと思います。
快不快
2021.7.29
昔は布おむつが主流でした。と言っても今のお母さま世代も紙おむつの時代ですよね。私が保育者になった頃から紙おむつが出始めていたので、どちらを使うかと論争がありました。布おむつはおしっこをするとすぐに不快になります。だから、取り換えてほしいと泣いて訴えます。そして取り換えてもらうと心地よくなり、変えてくれた人に対して信頼関係を築いていきます。紙おむつはその点では数回おしっこをしても不快にはならない、優れたものなので、心地良さは続きます。でも人間は快と不快を経験しながら情緒が育ちます。紙おむつだけで作れるわけではありませんので、安心してください。便利になっていく中で、気を付けなければならない一つとして挙げてみました。けんかしないようにとすべての子におもちゃを同じだけ与えてトラブルもかかわりもなくすることは人間関係を育てる面では機能しません。不足があって、トラブルがあって、解決方法を考えて、何度か失敗しながら築き上げていくものが人間関係であり、形成です。失敗やトラブルなどを経て成長する面を見ていく時、不便や不快のとらえ方も変わってきますね。
暑いですね
2021.7.19
「ラッキーデイ面白かった!」「またやらないかなあ!」
楽しかったラッキーデイの感想が子どもたちから寄せられ、保育者にとってもやりがいのある行事でした。言葉だけではなく先生たち一人ひとりにラッキーデイにちなんだアイスクリームのカードを書いてくれた子もいました。
そしてどろんこで真っ黒になったTシャツやズボンを手洗いしなければならなかったお母さま方には大変だったと思います。ありがとうございました。でも、あるお母さんが
「手洗いしている横でラッキーデイの様子をとても楽しく話してくれて、どんなに楽しかったのかがよく伝わりました」
とその苦労も子どもたちの成長のための糧としてとらえてくださり感謝でした。
お菓子作りは楽しいけれど後片付けが大変。お友達をたくさん呼んだ後のおもちゃの片付けも大変。何事にも楽しい面と大変な面がありますが、その両方があって初めて本当の楽しさであり、成長へとつながるものだと思います。表面的な楽しい所だけ取るのではなく、苦労したところや大変なところ、見えていないところにも心を向けられるような子に育ってほしいと思います。
ぶどうの会
2021.7.16
昨日は今年度初めてぶどうの会ができました。私も入れて4名で行いました。最初に今月の暗唱聖句。「おそれるな。わたしがあなたとともにいる」
私たちはいつも何を恐れているでしょう?病や事故。人間関係のトラブル。将来の事。災害。そして今はコロナ感染に関する様々な事。恐れは探していけば大きなことから小さなことまで限りなくあります。でも、聖書の神様は小さなことから大きな思い煩いまで、すべて神様にゆだねなさい。「わたしがともにいる」とおっしゃってくださいます。そこに100%ゆだねきることは難しいかもしれませんが、神様が必ず守ってくれるというお約束があることを心の片隅にでも置いて生活することは心の平和に繋がると思います。
お子さんたちの事においては3歳児の思いっきりの反抗期だった昨年と比べて。今とても成長し、落ち着いてきていること。こだわりが強く同じTシャツしか着なかった子が少しづついろいろな服を着られるようになり、ここにも成長が見えていること。
そして大好きなお友達への思いを「拍手をしてあげたい」と表現していることを聞きすごいなあと思いました。拍手は相手を賞賛したり、ほめたたえたりと日常ではあまり出てこない思いと動作ですが、大好きな子を心から賞賛して、生まれてきてそこに存在してくれていることに感謝し拍手したいと思えること。幼子にあっても様々な、そして豊かな感情表現ができていることにその成長を感じました。
ぶどうの会への多くのお母さま方の参加をお待ちしています。気軽にご参加してください。
手間と時間
2021.7.2
もも組さんがシートをひいてお昼ご飯を食べる準備をしています。テーブルの上に準備して食べるお弁当や給食とは違い、シートに座った自分の前に置いたものを食べるのは子どもたちにとってとても大変な事。外でピクニックをする前に、何度かお部屋で経験をしてみます。こんな日常の当たり前のことも、つひとひとつ時間をかけながら、一人ひとりが理解できるように、準備していきます。早くお外で楽しいピクニックしたいですね。
ひよこ組さんはテーブルごとベランダに出して外でランチ。暑すぎず、ちょうど良い気温の中、とても楽しい時間を過ごしていました。満面の笑顔でそのおいしさが伝わってきます。
料理も掃除も洗濯もレンジや掃除機、全自動洗濯機と手間が少なくなり、時短で家事を済ませる事、仕事が能率よくできることが良いことだという考えが主流になってきています。保育や教育の中にもその流れは見られます。でも、昔ながらの手作りの物。あやとりやお手玉。折り紙等の良さは数値で評価できません。今、当園では子どもたちのために手作りで時間と手間をかけながら、子どもたちの喜ぶ顔を想像しながら準備しています。既成のものの方が安く、見栄えの良いものがあり、早く済みます。でも、子どもたちはちゃんとわかります。自分たちのために時間と手間をかけたものへの喜びや感謝の思い。かけた時間に対してトビッキリの笑顔で答えてくれます。私たちもそれを励みに更に頑張れます。人と人との関りを大切にしていきたいですね。