絵本の世界
2022.10.18
絵本に特化した保育を行って3年がたちます。絵本の世界を楽しむことはとても広く深く様々な感性をはたらかせ、感受性を刺激されます。子どもたちのその部分を引き出して保育の中で展開させることはとても難しいことです。マニュアルはありません。子どもたちの発想や発した言葉をそこからどう発展させていくかは保育者の感性を働かせなければできないことです。
”おむすびころりん”の絵本を読んだ4歳児のクラスでネズミごっこが始まりました。そんな中、公園に遊びに行ったら、何とそこに大きなおむすびが転がっています。そこで、子どもたちはすぐにネズミになり切っておむすびを取りに行きます。そこでもお話が展開され、子どもたちはお話を更に膨らませていきます。おむすびを公園で子どもたちに知られないように置いたのはもちろん保育者です。そんなちょっとした仕掛けをしながら、子どもたちの想像力を更に大きくしていきます。こどもたちはお話を楽しみ体も心も様々な体験をしていきます。子どもたちの発想の豊かさやユニークさに驚きつつ、逆に感性を刺激され育てられている毎日です。
絵本の世界は限界がありません。紙面の動かない絵をそれぞれの空想の中で動かし、1冊で終わってしまった絵本の続きをそれぞれの空想の中で発展させます。そんな世界をつくれる心は現実の厳しさにも打ち勝っていけます。スマホやパソコンのゲームではすべてが動き、音も出ているので、どうしても受けるだけの楽しさで終わってしまいます。とにかくこの幼児期には絵本や、身近な人からの素話を聞いて育つことが本当に重要です。
隣人って?
2022.10.14
聖書の中に”良きサマリヤ人”という記事があります。イエス様が話されたたとえ話です。イスラエスの1人の人が旅の途中、強盗に会い、暴行され、全ての持ち物を取られてしまいました。その後、そこを3人の人が通ります。1人目は祭司職にあり、神様の礼拝のために祭壇で奉仕をする人です。2人目はレビ人で、やはり神様に特別に選ばれた人たちで、日々神様への奉仕をささげている人です。しかし、2人とも、けがをして倒れている人を助けることなく、脇を通って行ってしまいました。3人目に来た人はサマリヤ人で、イスラエル人とはずっと昔から仲が悪く、お互いに毛嫌いをし、会わないようにして暮らすほどでした。 しかし、そのサマリヤ人はけがをしている人を見て、すぐに介抱し、宿まで連れていき、助けてくれたという話です。
今朝の礼拝でこの話を子どもたちにわかりやすく説明しながら、話し、最後に「ここで、本当の隣人となってくれたのは誰か?」と聞くと、3歳の子たちが最初にサマリヤ人と答えてくれました。そうだねと言いながら、年長さんを見ると、深く考えている様子。年長の子たちは確かに親切にしてくれたサマリヤ人が隣人であることは理解していました。そのうえで、助けてくれなかった2人の人たちのことも考えていました。逆にその人たちをそのままほっておいてよいのか?十字架にかかられたイエス様はこの2人の冷たい罪のためにも祈っておられるはず。年長の子たちが悩んでいたこと自体、本当の意味で隣人になりうる尊い思いであること。子どもたちから隣人という更に深い意味を教えられて心から感謝した朝でした。
1学期の終わりに
2022.7.22
今月の讃美歌は「ハ・ハ・ハレルヤ!」です。リズミカルで歌っているとどうしても体を動かしたくなる楽しい歌です。
この賛美になると3歳児クラスの子たちは誰からともなく手をつないで、リズムに合わせて手を振り、楽しく賛美しています。
「みんな仲が良いんだなあ。ほほえましいなあ。」と、見ているこちらもとても楽しく暖かくなります。幼くてもこの1学期で友達関係が築かれ、3歳児ながらも互いに受け入れあい、日々を過ごす中で信頼関係ができているのだなあと感心させられます。幼稚園の場がそれぞれにとって安心して自分を出すことができる場なのだと伝わってきて嬉しくなります。途中入園で入ってきた子もいつの間にか友達の輪の中に入っているのを見て、驚くほどです。ただ、この仲の良い子どもたちも時々は喧嘩もしながら成長していきます。様々な感情を体験しながら、この1学期を過ごしてきたからこその仲のよさなのだと思います。その成長を見ることができる事も本当に幸せです。
コロナの感染がまた拡大してきました。休み中の健康と安全を祈りつつ…
参観日
2022.6.17
コロナ禍にあって、保護者の参加する行事が難しくなっている中、先日、参観日を行いました。いつもは全クラス一斉に行いますが、2クラスずつ日を分けて行いました。満3歳児のクラスと4歳児のクラス。密集しないようホールでリトミックや、親子同士のふれあい遊び等。普段の様子を見ていただきました。
ちょうど、見る時間が重なり、他のクラスの子どもたちを見ていた保護者の方が、「自分の子じゃなくても涙が出てくる」と元気に体操をしている子たちを見て目頭を押さえている姿がありました。次の日に他の保護者の方が「あんなに元気な声で、音程もしっかりとれて歌えるなんて感動しました。」という声を聴かせていただき、感謝でした。やはり、子どもたちの元気な姿を観たり、歌声を聞くことは私たち大人にとって、励ましや元気、勇気をくれるものだと改めて思わされました。徐々にではありますが、少しづつ感染がおさまってきています。このままwithコロナを工夫しながら、もとに戻せるものは戻していきたいと願っています。
歯科検診
2022.6.13
今日は歯科検診でした。ほとんどの園児に虫歯はありませんでした。歯科医の先生とも「うらやましいね」と話すほど子どもたちの歯はきれいでした。幼児期の歯の管理は100%保護者の皆さんが毎朝毎晩しっかり管理されているからです。頭が下がります。
自分が幼い頃恥ずかしいですが、今よりも歯を大切にする習慣が甘かったように思います。大人になった今は特に歯の大切さを実感しています。おいしいものをおいしく食べること。租借することによって脳への刺激や、胃腸での栄養の吸収など、健康を考えると、歯の役割は本当に重要です。
今、この幼児期に歯を大切にする習慣がついていれば、これからも自分で自分の健康を守っていく習慣ができていきます。それは自分自身を大切にすることでもあります。本当の意味で(自分よがり、自己中心ではなく)自分を大切にできる人は友達や周りの人たちをも大切にできます。友達や周りの人たちを大切にできていくことで、平和を築けていけると信じています。
愛することの反対は?
2022.5.27
今月の当園の月主題は”知る”です。保育を行うにあたって子どもたちを知ることはとても大切です。どんな遊びが好きか?食べ物は何が好きで何が嫌いか?そして、その子の普段の様子を知っておくこともとても大切です。私が担任として1年目の時、いつも本当によくお話してくる男の子がその日に限って、とても静かでした。おかしいと思い熱を測ると38℃以上の熱があり、保護者に連絡しました。その時に本当にそれぞれの子の普段の様子を把握しておくことの大切さを実感しました。知ることは相手を守ることでもあります。なぜ泣いているのか?おなかがすいているのか?おむつが濡れているのか?その訴えに気づき、応えてあげることで自分の存在が無視されていないこと、大切にされていることを感じとり、心と体は安心して成長します。子どもだけでなく大人も自分が誰かに関心を持たれていると感じると元気になります。生きていく意欲がわいてきます。一人ひとりはかけがえのない大切な存在です。いらない人は一人もいません。でも、相手に無視わされたり、無関心なままでいられると心は育たず、自分に自信を持つこともできません。
愛の反対は無関心、無視です。誰かに関心を向けることはその人の存在を認め、その人を生かしていることでもあります。そしてまず、自分を知り、認めていくことから始めて見てください。自分のことはさておき、子どものこと、家庭のこと、仕事のことを優先されている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
想像力?
2022.5.26
想像力を育てるとはどういうことでしょう?
よく犯罪を犯す人たちはその犯罪の結果どうなるかを考えることが乏しいと言われます。ものを盗んでしまった後、どうなるのか?盗まれた人の気持ちを考えたのか?ただほしいというその時の自分だけの思いで人のものを盗んで自分のものにしてしまうのはあまりにも自己中心で身勝手です。そのあと、警察に捕まることや、家族が悲しむこと、取られた人の気持ちなどを想像することができない人たち。これはマイナス面ですが、プラス面で考えていくと、自分にある可能性はそれぞれ、どれくらいの把握ができているかわかりません。でも、ある程度の可能性のあることを計画し、自分に足りないものを学んだり訓練したりしながら、なりたい自分になっていく。なりたい自分になるには想像t力が必要です。もしかすると全く可能性のないことに挑戦しても、ポジティブにできる自分を思い描くことで不可能を可能にしていくのはすごい力です。その根本にあるのが想像力だと思います。生きていくうえで、とても大切な力です。そしてこの力は後から身に着けさせようとしても難しいものです。幼児期にこそ養われていく必要があります。ですから、友達と様々な遊びを展開し、多くの感情を経験して過ごしていく日々が十分にあることが大切です。知識は後からでも間に合います。この幼児期に必要なもの、何にお金をかけるか?本当の意味で幼子への教育を考えていく必要があります。
世界のあそび
2022.4.29
あやとりやけん玉、コマ、ビー玉、おはじきなどは日本特有の遊びと思っていました。先日のテレビ番組で他の国々でも同じ遊びがあることに驚きました。あやとり等はオランダ、フランス、イギリス、中国、韓国等多くの国で遊ばれていました。少しずづ、ルールなどが違い、その国の文化を反映しているのだと思います。
でも、幼児期の遊びが多くの国々で共通し、今現在、遊ばれているということは、人間の成長にとって大切な要素が含まれていて、そのようなものはこの広い世界、陸続きではなくても同じようなものが発祥し、長く残っていくのだと感動を覚えました。今現在、IT 化が進んでいる社会においても人の成長においては必要なものは変わらないのだと思わせられました。ですから、昔からある遊びをご家族でゆったりと遊んで関わることの大切さを思います。どうか、家族関係を深めながら、伝承遊びを楽しんで情緒、感性を育てられたらとても良いと思います。
子どもたちの成長
2022.2.17
乳幼児期の子どもたちのそれぞれの成長はとても豊かでユニークです。
よく、自分が緊張している時に、もっと緊張している人がそばに来ると、落ち着いてくることがあります。
同じ学年と言っても幼児期のクラスの子どもたちは月令の違いで、その育ちにそれぞれ違いや差が大きいです。その中で様々に自己表現をしていきます。クラスの中で一番わがままを言って、先生を一人占めしていた子が、自分よりも月令の小さい子が入り、わがままを言いだすと、すっと大人になり、お世話までしだします。言葉で諭し、しつけようとしてもできないことが、クラスの中の一人の変化で大きく変わることがあります。そうやって子どもたちは成長していくのですね。
子どもたちなりに、友達、人と人との関係をそれぞれに考え、感じながら生活しています。幼稚園は子どもたちが経験する初めての家族以外の社会です。多くの友達を好む子もいれば、少人数や一人で楽しむ子もいます。それぞれの個性を認めながら、人とのかかわりを大切にする子に成長してほしいと思います。
雪遊び
2022.2.15
職員室の窓から見える園庭は1m以上の雪が積もり、遊ぶ時には這い上がっていかなければならないほど。この豊かな自然の中、どっさりある雪と極寒を利用しての遊びは子どもたちにとって最高の時間です。
ところどころにピンクや水色、緑色に光っているのは、寒さを利用し、色水を凍らせて作った氷。太陽に照らされとてもきれいでした。が、また降り積もった大雪にあたり一面、真っ白!この大雪に負けていたのは大人なだけ。子どもたちは宝さがし⁉うまってしまったきれいな色付きの氷を探すのも遊びに変えて楽しんでいます。見つけるために穴を掘っていたのが、いつの間にか穴掘りに変わったり。掘り出す雪で山づくりに変わったり!
自然の豊かさと厳しさ!子どもたちの発想の豊かさと心の柔らかさ!どちらにも感動させられました。