学校法人恵愛学園 認定こども園 北広島かおり幼稚園

Diary

園長ブログ

マリつき

2017.3.10

 昨年の11月くらいから、ボールをつく事に取り組んでいる子がいました。なかなかうまくつく事が出来ずにいました。3回ついたら、足にぶつかって転がったり、何度やっても、何日やってもうまくできずにいました。それぞれに得て不得手があってすぐにうまくできる事、何度もやってみないと出来ない事がありますね。できない事に取り組むのは大人にも困難な事です。
 でもついこないだ、その子がとても上手につけるようになっていました。毎日少しずつ諦めずに頑張っていた成果です。遊びの中で子どもたち一人ひとりがそれぞれのやりたい事、乗り越えたい事、克服したい課題に取り組むために、自由な時間と場所が必要です。その保証をしていくのが教育現場でもあると思います。それぞれが自分から主体性をもって取り組む課題。それを達成しようと、日々、様々なかかわりのなかで、自分なりに時間や場所をみつけて取り組めること。そして達成したことはその子の力となり、自信となります。マリつきという些細なことですがその
その積み重ねが土台となり、その子自身が形成されてい来ます。保育の専門性をもって保育者側から提供するもの、そして子どもたちがそれぞれに取り組む時間と空間をしっかりと保障していきたいと考えています。

成  長?

2017.2.16

 ”行事が一つ終わるごとに子どもたちはそれぞれに成長する。”それはこの仕事について初めての運動会を終えた時に気づき、大きく感動した事でした。その事実は今も裏切られてはいません。
 どこが成長しているか?と言えば、子どもたち一人ひとりそれぞれですが、何かが出来るようになったり、今まで以上に多く、高く飛んだり、回ったり。目に見えてわかることもしかりですか、一人ひとりが自信をつけているというのが一番だと思います。どうしても運動神経の良い子やダンスのセンスのある子などが目立ちます。目立たないで、終わる子もいますが、その子たちこそ、心の成長は大きいと思います。何度もやり続ける粘り強さや、失敗した時の悔しさ。そして成功した時の達成感等。
 また、大切なのは行事のための準備というより日頃の保育がどう行われているか?です。日々の中でそれぞれが十分に自己表現ができ、周りに認められていることが根底に必要です。
 幼児期は特に見えない所の成長が大切です。そこに目を止めていけるよう心がけたいですね。

どうしたの?

2017.2.3

 朝のホールでAちゃんが泣いていました。聞いてみるとBちゃんに意地悪なことを言われたらしく、そのBちゃんもそばに居ます。「意地悪なことを言ったの?」と聞くと「うん。でもごめんねしたよ。」「許してあげられる?」「うん」と言ってまた仲良く遊びだしました。お友達を泣かせてしまった時に、すぐに謝る事、子どもにとっては難しい事であり、許すことも難しいと思います。感情が伴わないとすぐに、許すことはで来ません。相手に泣かれた時も、自分の悪かったところを理解するためには時間
がかかります。幼い今、様々な感情、葛藤、理不尽さに出会いながら、心の中にしっかりと土台を築いてほしいと思います。でも、謝罪、自分の非を認める事、相手を赦すことは大人の方が難しいかもしれませんね。

 そして次は壁に顔を伏せているC君。「どうしたの?」と心配して声をかけると、迷惑そうに、「かくれんぼの鬼しているの‼」すみません。余計な声かけでした。確かに、泣いているように見えましたが、かくれんぼの鬼でした。すみません。

3学期始まりました

2017.1.30

 昨日から3学期が始まりました。今日も全員出席で元気いっぱいの子どもたち!早速今朝は隣のすずらん公園で雪遊びを楽しみました。ウェアーの着脱、靴に雪が入らないようにつけるカバー等、園の集団生活の中では出来るところまでは自分で頑張ってもらいます。最初にしっかり伝える事で何度か助けるだけでちゃんとできルようになります。
 今日3学期初めての外遊びでしたが、とてもスムーズに自分たちの支度が出来ていました。ご家庭でも頑張っていることがうかがえました。ありがとうございました。

 靴カバーを外して、脱いで、ついてる雪を落として、乾かすためにホールまで持って行くという一連の動作は大人には聞いてすぐに行動に移せても、いつもと違う動きであり、体の小さな子どもたちにはその動作から大変なところもあります。それを一人ひとり、丁寧にお教えていくには忍耐を要します。私もまだまだ未熟ですから、言葉の使い方が乱暴になったり、「早く!」を連発したり…理想の優しい先生像にはほど遠い現実があります。

 ドッチボールのようなルールがある遊びを教える時も最初は先生の言葉ばかりが行き交い、ゲームにならない状況ですが、何度か回を重ねるうちに形になって行きます。いつも最初は大変ですね。でも最初を丁寧に伝え、一人ひとりが理解するともう大丈夫。この最初の関わりをしっかりすることで信頼も深まります。ちょっと言葉も荒くなっても、それが子どものためです。

明けましておめでとうございます。

2017.1.1

 新しい年が来ました。2017年にどのような期待をし、希望を持っていますか?この年が祝福豊かな年になるように祈っています。    

 友達から1ヶ月毎の卓上カレンダーをいただきました。月毎に素敵な写真が付いていますが、その中に必ず私の名前が入っています。空を飛ぶ気球の模様の中、素敵なお家の表札等。最初はちょっと恥ずかしくも思いましたが、見ていくうちに、自分の名前を今まであまり大切にしていなかったことに気づかされました。仕事の上では園長としての顔でいることがほとんどで、忙しくなると家に帰っても仕事の事から解放されないでいることも多く、自分というより、園長でいることが多くありました。このカレンダーを見て、“MICHIYO”という名前を確認し、自分でいることの大切さを思わせられました。ですから忙しい時には特に肩書きのない自分自身でいることを心がけようと思います。自分を大切にしていなければ、本当の意味で相手を、子どもたちを大切にできません。自分のために、周りのために自分を大切にすることはとても大切なことだと思います。

行きて帰りし物語

2016.12.20

 私は56歳になった今でもファンタジーが好きです。中でも王道ですが、トールキンが好きです。冒険に出て行き、また元の所に戻って来る。元の場所はいつもと変わらない日常で、当たり前で、普通の毎日。でも、帰って来た自分は見た目は変わっていなくても、内面は変わっています。成長しています。
 子どもたちが幼稚園に来るのも同じです。毎日毎日お母さんのひざ元から幼稚園に来てお友達と仲良く遊んだり。時には喧嘩をしたり。楽しい事があれば、嫌な思いをすることもあります。そんな様々な事を経験して帰り行く場所は家族の元。そこで、安心して守られてまた、明日元気に登園。子どもたちにとっては毎日の幼稚園は冒険そのもの。命の危険はありませんが、様々な挑戦があり、喧嘩があり、できなくて落ち込む事。そして頑張ってみんなに褒められること。その繰り返しの中で、人として生きていくための土台を作っていきます。
 幼い子を集団の中に入れることはとても勇気がいることで、保護者の方々もそれぞれの葛藤があるのはわかります。待つ方も心が鍛えられますね。保護者の方がゆったりと自分を待っていてくれるところがあるから安心して冒険に出られます。出て行く方も待つ方も、それぞれに豊かに成長し続ける日々です。
 何も変わっていないような毎日ですが、みえないところでは日々、変化しています。子どもたちを子どもたち以上に信じてあげてください。子どもたちは私たち大人を過大評価しています。必ず、守っていくてくれる。最後まで味方でいてくれる。その期待に応えるのは特別な事ではありません。「ちゃんと見ているよ。ここにいるよ。」といつもの所で見ていてくれればいい
のです。

 子ども以上に信じるという事は失敗しても大丈夫。できなくても変わらずに愛しているという事です。過度な期待をかける事ではありません。

共感するという事

2016.11.29

 先日、知人から手紙をもらいました。その中にはご主人が肺癌で9月に亡くなられたことが書かれていました。もうすでに時が経っていて、どのような思いでこの期間を過ごしていたのかを思うと、そばに居られなかったことがとても悔しく、申し訳ない思いになりました。そばに居ても何もしてあげられないことはわかっています。でも、辛い時、苦しい時に誰かがともにいてくれることはその時には気づかなくても心強いものです。同時に嬉しい時や喜びの時にも共感してくれ人が居てくれると更に喜びが増します。

 でも、昨今、自分も含めて自分だけで精いっぱいで、相手の思いに気づいてあげられなかったり、気づいても、そこから距離をとってしまう。全ての人の悲しみや苦しみを共感することはできませんが親しい家族や友達のためには自分の出来る範囲で一緒に居てあげることができる人でありたいと思います。励ましの言葉をかけるのはとても難しいです。言葉がなくても、ただ、共にいてあげることでいいと思います。それも難しいです。自分が辛い時に何をしてほしいか?を考えてあげられれば良いのかもしれませんね。

 今年もあと1か月になりました。皆さんそれぞれに大変なことや喜ばしいことがあったと思います。理不尽なことやいまだに納得の出来ない事柄がおありかと思います。でも必ず、いつか、その意味が分かってくる時が来ると信じています。

モチベーション

2016.11.22

 今日はもも組(3歳児)のお友達とホットケーキを焼きました。「ぐりとぐら」の絵本で十分遊んで、今度は自分たちでホットケーキ作り。カステラまではいけませんでしたが、子どもたちはとても喜んで、他のクラスにもお裾分けをしてあげました。

 先日、仕事が遅くなったので、夕食を先生たちに作りました。パンケーキを焼きました。メレンゲを粉に混ぜ込み、ふわふわにできました。野菜サラダとハムやスクランブルエッグ、シーチキン。それに園でとれたブルーベリーのジャムに生クリームとあんこ。作りすぎたかな?と思う量を気が付いたら完食していました。手作りのパンケーキディナー?をおいしく食べた先生たちは更に仕事に力を入れていました。私はおいしく食べてくれたこ
とに感謝して、また、何かおいしいものつくってあげようと考えています。

 誰かに喜んでもらえると、そのことで自分が嬉しくなり、励まされ、更に喜んでくれることをしたいと思います。その良い循環は人が成長する上でとても大切なことだと思います。それができるのが一番身近な家庭教育です。当たり前のように繰り返される日常ですが、お母さんの作ってくれたお弁当が嬉しくて、勉強を頑張る。部活を頑張る。その姿が嬉しくてまた、喜ぶお弁当を作ってあげたいと頑張る。(お弁当に限りません)
そのような中で育つと、社会に出た時に、他の人のため、体制のために仕事ができる。それは自分を励まし力づけます。そうして生活している人には周りも支え、共感してくれます。幼いうちに家庭内での良い循環の中で育つ事はその子の人生の豊かさにつながります。そして大人である親にとっても生きがいとなり、やりがいのある人生となっていきます。当たり前に過ごしている、日々の中の一つ一つが相手のモチベーションを上げて行けるのです。

余裕?

2016.11.16

 私はとてもせっかちです。ですから、仕事も早く!早く!と自分を追い立てながらやってしまいます。このため、いつも余裕がなく、時々、やりすぎて、体と心がバランスを崩してしまいます。
 ある1日、どうにも疲れてしまい、パソコンにむかったり、細かな事務仕事をすることが出来ない日がありました。なので、その日は絵本の整理をしたり、雑用的なことをゆっくりやっていました。その時に”もうぬげない”という絵本にであいました。自分
で服を脱ぎたいけど服が首の所で引っかかってしまい、その状態で困りながらも、色々今後の事を考えます。でも最後にはお母さんに脱がされてお風呂に入るお話です。その子の健気な奮闘ぶりがなんともおかしく、そしてとても深い意味合いを隠しながら
展開していく流れは疲れた心を和やかにし、癒してくれました。保育後、打ち合わせの時に保育者たちにこの絵本を読んであげました。絵本の中身にやはり共感し、とても楽しんでくれました。そして「人に本を読んでもらうのっていいなあ」と言ってくれました。何気なく、楽しい絵本だからみんなにも伝えたいと思っただけなのに。読んであげたことも先生たちにとって癒しになっていました。絵本は自分で読むよりも読んでもらうものだと言います。そして大人こそ、読んでもらう時が必要なんだと思いました。忙しくしている人。いつも誰かのお世話をしている人。誰かに絵本を読んでもらうこと。大切ですね。そして私もその日、いつものように忙しく仕事をしていたら、この絵本にも出会えず、先生たちに読んであげようともしなかったと思います。日々の中に余裕を持つ事って大切でね。

”もうぬげない” ヨシタケシンスケ ブロンズ新社

収穫感謝会

2016.11.7

 11月1日に収穫感謝会をしました。お米や野菜など実りの時期です。私たちの国は四季折々に豊かな食物に恵まれています。でも、世界中の飢餓人口は8億人。栄養不良で亡くなる子が1分に12人。日本では考えられない、信じられない人数です。世界中の子どもたちが生まれてきて良かったと思える世界のために、今私たちができることは何でしょう?国際飢餓対策機構のスライドやパンフレットを見ながら、自分たちが恵まれている感謝と共に、世界の現実を子どもたちと一緒に知りました。遠い国でのでき事ではありますが、自分たちが今できることは何か?保護者の方々と考える時を持ちました。子どもたちからは「今ご飯があ
ることがありがとう」お母さま方からは「意識せずに食物を捨ててしまっていること」についての罪悪感など。難しい事ではありますが園児なりに感じていました。私自身ももっと自覚しつつ、食物について、世界について考えていきたいと思いました。毎日豊かにご飯があるのは当たり前ではないことに感謝しつつ。

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