学校法人恵愛学園 認定こども園 北広島かおり幼稚園

Diary

園長ブログ

三浦綾子さんのカレンダーから2

2017.7.12

 今月の三浦綾子さんのカレンダーの文章は
「土にまいた水が直ちに乾いてしまったとしても、その水が・・・」
その水が土地を潤したことだけはまちがいなく事実である。

毎日毎日読む本が、何の役にも立たないようでも、知らぬ間に地下水のように心の底を潤すものになるのである。
         三浦綾子著 「わが青春に出会った本」より

 学生時代に学んだこと。幼い頃からの育った環境。出会った方々。多くの友達。先生たちなど。私たちはそれぞれが多くの環境のなかで育ち成長していきます。自分の土台や、感性、情緒。自分自身が周りの環境の中で形作られてきています。そして、様々な本。自分では体験できない事に触れ、自分にはない様々な感情に触れ、さらに視野を広げ、心の深い所に気づかされる。本を読むことは自分を育てるためにとても大事なことだと思います。何気ない、軽いなあと思う本でも、三浦綾子さんの言葉を借りると知らぬ間に心を潤すものになっているようなので、更に多くの色々な本と出合っていきたいと思います。

朝の通勤時に考えたこと

2017.7.11

 通勤の時に通る細い道路があります。歩道もなく、センターラインも引いていません。でも、抜け道として、結構な車が通ります。私は7時頃そこを通りますが、犬の散歩をしている人も少なくありません。その中で、犬の思うとおりに歩かせている方がいます。車が来なければ道路の真ん中をのんびりと。時々そこでうんちの始末をしています。車はそれが終わるまで待ちます。待つのが嫌なのではありません。
 その犬の事がかわいいのであれば、好きなように道路を歩かせるのではなく、その犬が安全に歩けるところを教えた方が本当の意味でその犬のためになると思います。やりたい事、好きなことをさせる事が相手にとって愛情ある行動ではないと思います。本当に大切に考えているのであれば時には厳しく、やってはいけない事、我慢することを教えていく事が相手を大切にしていく事ではないでしょうか?

おもてなし

2017.6.11

 東京オリンピックの招致の時に何度となく語られ、今もその思いをもって準備?されていると思います。
 私はおもてなしをするのが好きです。誰かが来る時にはご飯を出す時は相手が何が好きか?今の体調がどうか?時間の余裕はどうか?お年はどうか?様々に考えます。来られた方が喜んで下さることが何よりもうれしい事です。

 そして逆に自分がもてなされた時に、どれだけ心を尽くして準備したことが伺えること、そこに気づくことも大切な事であると感じます。これだけやってあげたから!と恩を着せるつもりはありませんし、そのような思いがあるのでは最初からおもてなししてはいけないと思います。
 大した準備ができない時もあります。掃除が行き届かず、ごはんも買い合わせたものであったとしても来ていただいたことを心から喜んで受け止めることが一番大事ですよね。
 毎日子どもたちを園に迎え、どれだけ喜び楽しんで過ごしてくれたか?悔しい思いや嫌な思いもしながら、その全てをこれからの成長の土台にして。その成長を助け、働きかけ、私たちもしっかりと向き合い、心を込めてなすべきことをなして
行きたいと思います。

ひとこと

2017.5.1

 三浦綾子さんの本の言葉でできているカレンダーがあります。

「自分一人ぐらいと思ってはいけない。
その一人ぐらいと思っている自分に、たくさんの人がかかわっている。」
                三浦綾子著 『人間の原点』
 説明に「ある人がでたらめに生きるとその人間の一生に出会う
すべての人が不快になったり、迷惑をこうむったりするのだ。そして不幸にもなるのだ。」とありました。なるほど、私たちはやはり一人では生きていません。必ず何かしらの影響を与えてしまいますし、受けます。

 私は説明を読む前にこの言葉を違う意味にとらえていました。
「自分一人ぐらいいなくなっても何も変わらない。誰も悲しまない。なんて思わないで。その一人には必ずたくさんの人がかかわり、その存在を大切に、必要に思っている人がいるよ。」と。

 言葉というのは不思議です。奥が深いです。同じ言葉でも様々な取り方が出来ます。同じ人でも時が変われば、違う意味で響いたりします。言葉はひとを励まし、勇気づけもしますが、傷つけ、落ち込ませもします。褒められて成長する子もいれば、叱られて大きくなる子もいます。どのような言葉を発するにも大切に使いたいと思います。

みんな一緒

2017.4.28

 日本人はみんな一緒と言われると安心して沈没しそうな船から海に飛び込めるという笑い話を聞いたことがあります。今の小学生や中学生もクラスの中で良い意味でも、悪い意味でも目立たないようにするという傾向があると聞きます。
 少し前、水色が流行ると小学生がアウターからランドセルからみんな水色でした。2~3年前は卒園式の女の子たちの衣装はほとんどAKB48風でした。色々な意識や価値評価があり、国民性でもあるとは思います。でも、私たちは一人ひとりみんな個性豊かにデザインされています。顔が似ていても、性格が似ていても同じ人間はいません。その個性を発揮し、互いの違いを受け入れ合い、、成長していく事で相手の気持ちを理解でき、わかりあえていきます。みんな一緒の考え方の方が何をするにも楽です。でも、違いを受け入れあう事は相手を理解しようとするための努力や時には我慢だったり、引いたりしなければできない事で互いに苦労します。でもそうして人間関係を築いていく事でより豊かな信頼関係が育まれるのではないでしょうか?
 何かが流行った時にみんな同じでなければ安心できないのではなく、それぞれの違いを幼い時から受け入れられるように成長していってほしいと思います。

行きて帰りし物語Vol.Vol.2

2017.4.18

  新学期が始まりました。入園して来たお友達も少しずつ慣れて落ち着いて来ました。進級した子たちもお部屋が変わり、担任が変わり、新しいお友達も加わり新しい環境になじんできました。年少児、年中児が一つ上のクラスになることは本人たちにとっては大人が考えているよりもプレッシャーのようです。大きな期待と嬉しさの反面、今までの年長組さんへの憧れがあればあるほど、そうなりたいという思いから、緊張した様子で登園してきます。
 そんな緊張がほどけてくると、ふっと元のお部屋に間違って行ってしまう子が少なくないです。気が付いて慌てて新しいお部屋へと恥ずかしそうに走っていきます。その中で、意識的に?無意識に?元のお部屋へふらっと行く子がいます。嬉しい事もあり、誇らしげに一生懸命進級したクラスで頑張っていますが、ふっと一息つきたいときがあるようです。
 前回”行きし帰りし物語”でもかきましたが、実際の生活の中で元の場所へ戻ってみる。お母さんに甘えるだけではなく、元の自分を確かめてそして一歩また踏み出して行く。日常の当たり前の流れの中でも子どもたちは大きな冒険を経験しながら一日を過ごしています。そしてそれは私たち大人にも言える事ではないでしょうか?

自分をつくっているもの

2017.3.18

 先日無事に卒園式を終えることが出来ました。満3歳、3歳、4歳から入園してきた子たちが4月には小学校です。入園したての頃を思い出すと今の姿は心も体も大きく成長しました。
 卒園式に出席するにあたり、朝早く起きて着物の支度をしました。裾の長さを合わせ、襟元を整え、何度やってもうまくいかない帯を慎重にしめながら気づいたのは「着物を着る文化や着ることができるようになった部分は着付けの先生につくられている」という事でした。そうなると、読書が好きな部分は小学校6年の時の先生の影響。縫物や料理が好きなのは母の影響。自分自身が今在るのはたくさんの方々の支えや教えによってである事。
 卒園していく子どもたちも様々な先生や友達に色々な影響を受け、ご家族の温かい愛の中でその子自身がつくられたのだと思うと、周りの方々みんなに感謝な思いでいっぱいになりました。そして更にこれからも多くの方々との出会いの中でそれぞれが自分らしく存在していく事。生まれてきた良かった。喜べる人生を歩んでほしいと切に願います。

マリつき

2017.3.10

 昨年の11月くらいから、ボールをつく事に取り組んでいる子がいました。なかなかうまくつく事が出来ずにいました。3回ついたら、足にぶつかって転がったり、何度やっても、何日やってもうまくできずにいました。それぞれに得て不得手があってすぐにうまくできる事、何度もやってみないと出来ない事がありますね。できない事に取り組むのは大人にも困難な事です。
 でもついこないだ、その子がとても上手につけるようになっていました。毎日少しずつ諦めずに頑張っていた成果です。遊びの中で子どもたち一人ひとりがそれぞれのやりたい事、乗り越えたい事、克服したい課題に取り組むために、自由な時間と場所が必要です。その保証をしていくのが教育現場でもあると思います。それぞれが自分から主体性をもって取り組む課題。それを達成しようと、日々、様々なかかわりのなかで、自分なりに時間や場所をみつけて取り組めること。そして達成したことはその子の力となり、自信となります。マリつきという些細なことですがその
その積み重ねが土台となり、その子自身が形成されてい来ます。保育の専門性をもって保育者側から提供するもの、そして子どもたちがそれぞれに取り組む時間と空間をしっかりと保障していきたいと考えています。

成  長?

2017.2.16

 ”行事が一つ終わるごとに子どもたちはそれぞれに成長する。”それはこの仕事について初めての運動会を終えた時に気づき、大きく感動した事でした。その事実は今も裏切られてはいません。
 どこが成長しているか?と言えば、子どもたち一人ひとりそれぞれですが、何かが出来るようになったり、今まで以上に多く、高く飛んだり、回ったり。目に見えてわかることもしかりですか、一人ひとりが自信をつけているというのが一番だと思います。どうしても運動神経の良い子やダンスのセンスのある子などが目立ちます。目立たないで、終わる子もいますが、その子たちこそ、心の成長は大きいと思います。何度もやり続ける粘り強さや、失敗した時の悔しさ。そして成功した時の達成感等。
 また、大切なのは行事のための準備というより日頃の保育がどう行われているか?です。日々の中でそれぞれが十分に自己表現ができ、周りに認められていることが根底に必要です。
 幼児期は特に見えない所の成長が大切です。そこに目を止めていけるよう心がけたいですね。

どうしたの?

2017.2.3

 朝のホールでAちゃんが泣いていました。聞いてみるとBちゃんに意地悪なことを言われたらしく、そのBちゃんもそばに居ます。「意地悪なことを言ったの?」と聞くと「うん。でもごめんねしたよ。」「許してあげられる?」「うん」と言ってまた仲良く遊びだしました。お友達を泣かせてしまった時に、すぐに謝る事、子どもにとっては難しい事であり、許すことも難しいと思います。感情が伴わないとすぐに、許すことはで来ません。相手に泣かれた時も、自分の悪かったところを理解するためには時間
がかかります。幼い今、様々な感情、葛藤、理不尽さに出会いながら、心の中にしっかりと土台を築いてほしいと思います。でも、謝罪、自分の非を認める事、相手を赦すことは大人の方が難しいかもしれませんね。

 そして次は壁に顔を伏せているC君。「どうしたの?」と心配して声をかけると、迷惑そうに、「かくれんぼの鬼しているの‼」すみません。余計な声かけでした。確かに、泣いているように見えましたが、かくれんぼの鬼でした。すみません。

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